【2月13日 AFP】太平洋を13か月間漂流したと話しているホセ・サルバドール・アルバレンガ(Jose Salvador Alvarenga)さん(37)は、漂流中にすれ違った数隻の船に大声で助けを求めたが、無視されたという。エルサルバドル保健相が12日、明らかにした。

 2週間前に漂着した島しょ国マーシャル諸島から、空の長旅を終えて11日夜に母国エルサルバドルに到着したアルバレンガさんは、首都サンサルバドル(San Salvador)近郊の病院で一夜を過ごした。

 面会したマリア・イサベル・ロドリゲス(Maria Isabel Rodriguez)保健相はサン・ラファエル国立病院(San Rafael National Hospital)で記者会見し、アルバレンガさんは「助けてもらえなかったので、帰える希望をほとんど失くしたと話した」と述べた。

「数隻の船が通りかかったと話してくれた。中には、すぐわきに来た船もあったという。助けを求めたが、救助しようとはしなかった」

 ある船の船員は手を振って応えたが、ぼさぼさな髪で下着姿のアルバレンガさんを助けるために止まろうとはしなかったという。もう1隻は、「小さなボートを壊さんばかりに、真横を通り過ぎた」という。

 同保健相によると、アルバレンガさんの健康状態は良好だが、精神状態は注意深い観察が必要だという。(c)AFP/Laurent THOMET