【2月13日 AFP】タイの憲法裁判所は12日、2日に投票が行われた議会選挙の無効と、インラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)首相が率いる与党の解散を求める野党・民主党からの申し立てを、根拠不十分で却下した。反政府デモによって妨害された同選挙の無効化を求めた野党の訴えが退けられたことで、危機に直面しているインラック政権は後ろ盾を得た形だ。

 議会選では、反政府のデモ隊が、拠点を置いている首都バンコク(Bangkok)と同国南部を中心に投票所1万か所で投票を妨害し、数百万人が影響を受けた。選挙管理委員会は、全選挙区で投票が実施されるまで開票結果を発表しないと言明している。インラック首相は、議会下院の定数500議席のうち95パーセントが確定し、新政権の発足が可能になるまで引き続き政権運営を担っていくが、権限は一部制限される。

 一方インラック氏のタイ貢献党(Puea Thai Party)も、野党の抗議行動は民主主義制度の転覆を図るものだとして、同じく憲法裁判所に野党のデモの中止命令を求めていたが、同裁判所はこれも合わせて拒否した。

 選挙管理員会は11日、デモによって投票が妨害された選挙区では4月27日に投票をやり直すと発表。ただし、デモ隊が出馬登録自体を妨害したため候補者がいない28の選挙区の扱いをどうするかについてはまだ結論を出していない。(c)AFP/Thanaporn PROMYAMYAI