【2月12日 AFP】太平洋を小さな漁船で13か月間漂流し、島しょ国マーシャル諸島にたどり着いたとされるホセ・サルバドール・アルバレンガ(Jose Salvador Alvarenga)さん(37)が11日、故郷エルサルバドルへ帰国した。

 空路2日の旅を経て、アルバレンガさんは車いすに乗ったままエルサルバドルの主要空港へ降り立った。マーシャル諸島の海岸に漂着した日から、まだ2週間。数十台のカメラにうなずきながら手を振ったが感極まり、マイクに向かってつぶやいた言葉は聞き取れなかった。ハイメ・ミランダ(Jaime Miranda)外相にマイクを返すと、アルバレンガさんは片手で目を覆い、職員に車いすを押されてその場を去った。散髪しひげもそり、すっきりした姿だった。

 この後、アルバレンガさんは首都サンサルバドル(San Salvador)近郊の病院で診察を受ける予定。医師の許可が下りれば、15年前に後にした、両親と14歳の娘が待つ大平洋に面したアワチャパン(Ahuachapan)県ガリタ・パルメラ(Garita Palmera)の村に戻ることができる。

 アルバレンガさんの家族は空港へは迎えに来なかったが、「お帰りなさい」と書いたボードや風船、ヤシの葉などで実家を飾って待っている。家族が最後にアルバレンガさんに会ったのは6年前。海で行方不明になってからは死んだと思っていた。(c)AFP/Laurent THOMET