【2月10日 AFP】04年秋にウクライナを揺るがした「オレンジ革命」から9年、首都キエフ(Kiev)の独立広場(Independence Square)に面するホテルの最上階に泊まる客は今、この国を再び揺るがしている危機の色は、国旗と同じ黄色か青かと思いを巡らすかもしれない。

 しかし「親欧米派を政権に」という欧州連合(EU)加盟推進派による大規模なデモと、親ロシア政権のビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)大統領の対峙(たいじ)は、オレンジ革命のときのように自らがまとう色をまだ見出していない。

 ロシアと親密な関係にあるヤヌコビッチ政権が、EU加盟の前提となる連合協定の署名を見送った昨年11月以降、大規模なデモは9日で10回目となる。爆発した親EU派の怒りは冷めることなくウクライナ全土へと広がり、地域的な国内問題だった騒乱は、ロシアとEUの間で揺れるウクライナの将来にとって巨大な闘争へと膨らんでいった。

 ヤヌコビッチ大統領自身、そのロシアとEUの間にとらわれ身動きできなくなっている。ここへ来て、抗議に屈する形で不人気の内閣を総辞職させたが、一方、天然ガス輸入の未払い分で何十億ドルも負っているロシアをなだめもしなければならない。

 9日のデモに参加したスベトラナさんは「(この革命の色は)まだ探せていない」と語った。「黄色か青かって? それはウクライナの色で、私たちも好きだが向こう(政権側)も使っている。言ってみれば、この革命は灰色だろうか。こんなに長く続き、そしてどうやって終わるのかが、もはや見えないから」という。