【2月9日 AFP】ハリウッド(Hollywood)を代表する俳優・映画監督のクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)さん(83)は、実生活でも「英雄」だった。カリフォルニア(California)州で5日夜に行われたパーティーで、チーズを喉に詰まらせた男性の命を救ったのだ。

 同州のカーメル・バイザシー(Carmel-by-the-Sea)で行われたゴルフトーナメント、AT&Tペブルビーチ・ナショナルプロアマ(AT&T Pebble Beach National Pro-Am 2014)の開幕前夜に開かれたパーティーに参加したスティーブ・ジョン(Steve John)さんはこの時のことについて、地元紙カーメル・パイン・コーン(The Carmel Pine Cone)に次のように語った。

 このトーナメントを主催する非営利団体、モントレー・ペニンシュラ基金(Monterey Peninsula Foundation)の会長であるジョンさんは、食事とおしゃべりを楽しんでいたところ、気管にチーズを詰まらせてしまった。

「突然、息ができなくなった。これまでに味わったことのない苦しさだ。するとクリントが私の後ろに回り、適切な処置をしてくれた」

 一方、1980年代にカーメル市の市長を務めたこともあるイーストウッドさんは同紙に対し、ジョンさんの顔には「走馬灯が見えている人特有のパニックの表情」が浮かんでいたと語った。

 イーストウッドさんは、ジョンさんの背後から腹部に両腕を回し、両手でへそのすぐ上を強く押して異物を吐き出させる「ハイムリック法」を行った。

「腹部を3回、強く押してチーズを吐き出させた。それから絞ったレモン汁をたくさん入れた水を大きなグラスで一杯飲ませたよ」という。

 映画「ダーティハリー(Dirty Harry)」シリーズの刑事役で最もよく知られるイーストウッドさんはこの救命方法について、練習をしたことはあるものの、実際に試みたのは初めてだったと明らかにしている。(c)AFP