【2月6日 AFP】国連(UN)の世界気象機関(World Meteorological OrganizationWMO)は5日、2013年は記録史上6番目に暖かい年となったと発表した。地球の気候システムが温暖化の危機にあり、今後幾世代にもわたり影響を及ぼす恐れがあることが、改めて確認された形だ。

 WMOの声明によると、2013年の地球の陸海表面温度は1961~90年の平均温度より0.5度高く、信頼できる記録が残る1850年以降で2007年と並び6番目に暖かい年となった。

 表面温度が最も高かったのは上記の長期平均温度より約0.55度高かった2005年と2010年。WMOのミシェル・ジャロー(Michel Jarraud)事務局長によると、最も暖かかった上位14の年のうち13は2001年以降に起きていた。

 またジャロー事務局長は、国により「温暖化の速さは一律ではない」と指摘。例えば、オーストラリアでは2013年が記録史上最も暑い年だったが、米国では2012年に各地で最高気温を更新した。

 同事務局長はAFPの取材に対し、「地球温暖化は実際に起きている。疑いの余地は全くない。だが、より重要なのは、それが人間の活動によるものだということだ」と述べ、二酸化炭素(CO2)などの温室果ガスのレベルが過去最高水準まで上昇していることを指摘した。専門家の中には、このままでは2100年までに地球の気温は4度以上上昇する恐れがあり、干ばつや洪水、暴風雨、大規模な飢餓といった結果を招くと警告する人もいる。

 ジャロー事務局長は、昨年11月にフィリピンを襲い、死者8000人の被害を出した台風30号(アジア名:ハイエン、Haiyan)に言及し、このような個々の異常気象の原因を気候変動に求めるのは困難としながらも、「確実に言える事は、海面上昇が原因で、ハイエンの影響は50年前に起きた場合に比べてはるかに大きくなったということだ」と述べ、死者の多数は暴風ではなく、高潮によるものであったことを指摘した。(c)AFP/Nina LARSON