【2月4日 AFP】薬物の過剰摂取が原因とみられるオスカー俳優フィリップ・シーモア・ホフマン(Philip Seymour Hoffman)さん(46)の衝撃的な死は、米国で再びヘロイン常習がまん延している実態が明るみに出たものだとして、米当局が警鐘を鳴らしている。

 同世代を代表する性格俳優として高く評価されていたホフマンさんは2日、米ニューヨーク(New York)の自宅アパートで浴室の床に倒れ、死亡しているのが見つかった。腕には注射器が刺さったままで、アパートからはヘロインが入った袋や空の袋が複数見つかった。検視結果はまだ出ていないが、ヘロインの過剰摂取が死因というのが大方の見方だ。

 米麻薬取締局(Drug Enforcement AgencyDEA)のジョゼフ・モーゼス(Joseph Moses)報道官によれば、米国ではヘロインの常用が広まっており、ヘロインの過剰摂取による死者数が2006~10年までの間に45%も増加。メキシコ国境で押収されたヘロインの量も2008~12年までに、ほぼ4倍に増えたという。

「ヘロインを初めて使う年齢が数年前に比べて、低年齢化している。加えてこれは、もはや都会だけの問題ではない。ヘロインは郊外や地方にも広がっている」とモーゼス報道官は指摘している。

 英国法の分類で最も危険と位置づけられているいわゆる「クラスA薬物」との関連でここ数か月間に死亡した著名芸能人は、ホフマンさんが2人目だ。昨年7月には米人気TVドラマ「グリー(Glee)」で知られるカナダ人俳優コリー・モンテース(Cory Monteith)さんが、バンクーバー(Vancouver)のホテルの1室で、ヘロインとアルコールの過剰摂取により急死している。