【2月4日 AFP】注意欠陥多動性障害(ADHD)の男性は、処方された薬を服用することで交通事故のリスクを低減させることが可能かもしれないとの研究結果を、スウェーデンのチームが発表した。

 先月29日に米国医師会雑誌(Journal of the American Medical AssociationJAMA)で発表されたこの研究によれば、ADHDの男性は不注意や衝動性のために、ADHDでない男性に比べて交通事故に遭う確率が45%も高い。しかし、医師に処方された覚醒作用のある薬を飲んでいれば、そのリスクを半分近く減らすことができるという。

 ADHDの男性が関与した事故の約41%が、4年間の追跡調査期間中に薬の服用を続けていれば避けられた可能性があるという。

 スウェーデン・カロリンスカ研究所(Karolinska Institute)のヘンリク・ラーション(Henrik Larsson)准教授は「ADHDを抱える人の多くは問題なく生活しているが、私たちの研究では、ADHDが深刻な事態をもたらし得ることが示された」と指摘した上で、「ADHDの成人男性の交通事故のリスクは、薬物治療を受けていれば大きく低減する」と述べている。

 研究チームは、医師にADHD患者に交通事故のリスクについて注意し、薬の効用を伝えるようにと提言している。

 研究対象となったのは1万7000人で、女性も含まれていたが、ADHDの女性と交通事故に統計的に有意な関連性はみられなかったという。専門家によれば、成人全体の約2%がADHDの患者だという。(c)AFP