【2月2日 AFP】総選挙を翌日に控えたタイの首都バンコク(Bangkok)で1日、政府支持派と反政府派のデモ隊が衝突、爆発や激しい銃撃戦が発生し、現場周辺は混乱状態に陥った。数か月にわたって反政府派の抗議集会などが続く同国では当面、暴力の連鎖が収束に向かう気配は感じられそうにない。

 AFPの記者によると、バンコク北部のラックシー(Lak Si)区で同日、交通量の多い交差点付近でにらみ合いを続けていた政府支持派と反政府デモ隊に向け、覆面をした男がアサルト(攻撃用)ライフルを乱射し始めた。

 居合わせた人たちや警備員、報道関係者は付近のショッピングモールの中に避難したが、少なくとも6人が負傷。激しい銃撃戦は1時間以上にわたって続いた。

 バンコク市内には、投票箱を保管する事務所がおよそ50か所ある。反政府派はこの日、こうした事務所に投票箱が運び込まれるのを阻止しようとしており、衝突が起きた場所も同区の事務所の近くだった。周辺に集まっていた約200人のデモ隊のうち、一部は木製や金属製の棒などで武装していた。

 また、衝突が発生する前には同区内の別の場所でも、爆発音が少なくとも2回聞こえたという。

 2日に実施される総選挙を前に緊張が高まるバンコクでは、確実視されるインラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)首相の再選を阻止しようと、反政府派が投票の妨害を画策してきた。

 当局によると、野党民主党の支持者が多い南部全域でも、反政府派が各地で投票箱の運搬を邪魔している。政府は投票日には、国内各地の投票所9万3000か所に警官およそ13万人を配置し、警備にあたらせる予定だ。

 先月26日に実施された期日前投票でも、バンコク市内の数か所で投票所が閉鎖されるなどしたため、有権者およそ44万人が票を投じることができなかった。当局はこうした人たちのため、今月23日に別の投票日を設けている。(c)AFP/William DAVIES