【1月31日 AFP】エジプトで、中東の衛星テレビ局アルジャジーラ(Al-Jazeera)のジャーナリスト20人が「虚偽のニュースを報じた」として訴追された。国際人権団体は、軍が主導するエジプト暫定政権による言論統制だと強く非難している。

 カタールを拠点とするアルジャジーラは、エジプト軍が昨年7月にムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領を排除して以来、モルシ氏の母体のイスラム組織「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」やモルシ氏支持者らに対する暫定政権の激しい弾圧を報道し、政権の怒りを買ってきた。

 こうした中、エジプト検察当局は29日、アルジャジーラのエジプト人記者16人、外国人記者4人を、エジプトが「内戦」状態にあるかのように描き「虚偽のニュースを報じた」罪で起訴したと発表した。

 起訴状によると、エジプト人記者16人は「テロリスト組織」に属し「国民の結束と社会の平穏を阻害した」罪にも問われている。当局はまた、起訴された記者らは当局の許可なしに取材活動を行っていたと主張している。

 エジプト人記者のうち2人は、既に昨年夏から刑事施設で身柄を拘束されている。外国人記者の国籍はオーストラリア人1人、英国人2人、オランダ人の女性記者1人。有罪が確定した場合、外国人記者は最長で7年、エジプト人記者は同15年の禁錮刑が科せられる可能性がある。