【2月1日 AFP】米ニューヨーク(New York)州の環境当局は、州内に生息する2200羽の野生のコブハクチョウを2025年までに殺処分あるいは他の場所に移すという駆除計画案を発表した。英国ではその美しさを褒めたたえられ女王によって保護されている野生のコブハクチョウだが、ニューヨーク州では人間に害を与える厄介者として殺されてしまうかもしれない。

 コブハクチョウは19世紀後半、欧州からの植民者が観賞用として北米に導入した。だがニューヨ-ク州の環境保護局(Department of Environmental Conservation)は、ハクチョウの美しさをもってしても、これ以上事態を放置できないと判断した。

 同環境保護局は、コブハクチョウは人間に危害を加え、植物を荒らし、飛行機の運航に支障を生じさせ、ふんに含まれている大腸菌によって水質汚染を引き起こしていると指摘し、駆除もしくは許可を得た適切な管理者に飼育させることで、2025年までに野放しのコブハクチョウを一掃したいとしている。

 2009 年にガンの群れと衝突したUSエアウェイズ(US Airways)1549便が、ニューヨーク市のハドソン川(Hudson River)に緊急着水するという事故が起きて以来、米農務省は毎年カナダガンの駆除を実施している。

 今回の計画案は銃による駆除や、生け捕りにした個体を野生動物を対象とする既存のガイドラインに従って安楽死させることも含んでいる。巣も除去し、ひながかえるのをふせぐために卵も処分するとしている。