■計画案への賛否分かれる

 自然保護活動家の間では、この計画案に対する賛否が分かれている。

 ガンの駆除に抗議して創設されたガン愛護団体グース・ウォッチNYC(Goose Watch NYC)は計画案の破棄を要求している。

 同団体の創設者デビッド・カロプキン(David Karopkin)さんはAFPの取材に対し、「150年以上、200年近くにわたってこの州に生息してきた1つの生物の種を皆殺しにしようとするのはひどすぎる」と話す。さらに「コブハクチョウによって重大な危害を加えられた人なんて見たことがない」と述べ、1800万人もの人々が暮らすこの州でわずか2200羽のハクチョウを脅威とみなすこの計画はばかげていると酷評した。

 一方、AFPの取材に電子メールで応じた米コーネル大学(Cornell University)自然資源学部のポール・カーティス(Paul Curtis)准教授は、ニューヨーク州のケネディ国際空港(John F. Kennedy International Airport)でハクチョウが航空機にぶつかった事故は4件報告されていることや、ハクチョウは人間を不愉快な目に遭わせたり、食料資源を枯渇させたりすることもあると指摘し、同州の計画は他州の計画案と方向性が同じで適切だと述べた。

 またカーティス氏は電子メールの中で、ニューヨーク州の計画は問題が起こらない程度にまでコブハクチョウの生息数を抑制するのを目的としており、さまざまな致死的・非致死的手段を組み合わせれば効果が上がるだろうと述べた。

 同州環境保護局もAFPに対し、提案した計画案はハクチョウを別の場所に移すことも含んでおり、多くの人が言っているよりも「バランスのとれた包括的なものだ」として批判に反論した。(c)AFP/Jennie MATTHEW