【1月31日 AFP】中米で、麻薬密輸組織が森林破壊の大きな要因になりつつあるとする研究が、30日の米科学誌サイエンス(Science)に発表された。麻薬密輸のための道路や発着場、資金洗浄(マネーロンダリング)のための偽農場が森林を伐採して作られているという。

 米オハイオ州立大学(Ohio State University)のケンドラ・マクスウィニー(Kendra McSweeney)准教授(地理学)らの研究チームによると、中米ホンジュラス、グアテマラ、ニカラグアの地方部で広範囲に進むこうした森林破壊は、米国による麻薬撲滅政策の直接的な帰結だという。

「メキシコで取り締まりが強化されたことから、麻薬組織は2007年ごろから南下を始め、中米の地方部で南米産の麻薬を米国に密輸する新ルートを開拓するようになった。麻薬組織がやって来たことで、環境破壊がもたらされた」と論文主執筆者のマクスウィニー氏は述べている。

 麻薬組織は、森林を切り開いて密輸ネットワーク構築のための拠点を設けている。さらに、地元の住民や検察当局者らに賄賂を贈り、森林を開墾して農地やアブラヤシのプランテーションを作っているが、これらは実際は麻薬密輸で得られた資金を洗浄するのに利用されているという。