■男性の生殖能力を脅かすDNAも?

 ワシントン大ゲノム科学部門のベンジャミン・バーノット(Benjamin Vernot)氏は、AFPの電子メール取材に「残念なことに、ネアンデルタール人のDNAの一部はわれわれ人類のDNAと非常に似ているため、区別が難しくなっている。なので、ネアンデルタール人のゲノムの50%がいまだに現生人類の中に存在しているのかもしれないが、われわれが特定できたのは20%にすぎないのだ」と語った。

 同氏によると、サイエンス(Science)誌のチームは、少なくとも一部分はネアンデルタール人由来の遺伝子を調査対象1人につき300個から400個特定したが、これらは人によって異なっているという。

 両チームとも、人類のゲノム中でネアンデルタール由来のDNAが全く存在しない領域を発見しており、これはある種の遺伝子が人類にとって不利益を及ぼすものだったため淘汰(とうた)されたことを示すものだと結論付けている。

 この種の領域の大半は、睾丸(こうがん)やX染色体の機能に関連する遺伝子で見つかっていることから、ネアンデルタール人との交配で得た遺伝子が男性の繁殖力を脅かしたため、自然淘汰の過程で強制的に取り除かれたとの結論を、研究チームは導き出している。(c)AFP/Mariette LE ROUX