【1月31日 AFP】初期の現生人類(ホモサピエンス)は、現代人のゲノム(全遺伝情報)中にも1~3%残存しているネアンデルタール人由来の遺伝子によって、厚みのある皮膚を獲得し、欧州の寒冷な気候への適応に役立てることができた可能性が高いとする研究が、29日に発表された。またこの遺伝子により、糖尿病や狼瘡(ろうそう)の高い遺伝的リスクが受け継がれた可能性もあるという。

 人類は4万~8万年前、ネアンデルタール人との交配によりそのDNAを獲得し、現在の欧州人と東アジア人にも受け継がれていると、科学者らは考えている。アフリカの人類は、欧州やアジアに住んでいたネアンデルタール人とは混血しなかったため、そのDNAをほとんど、あるいは全く持っていない。

 今回の最新の研究は、ネアンデルタール人由来のDNAの人類への影響が、人類のゲノム全体に均等に分布しているわけではないことを明らかにした。

 英科学誌ネイチャー(Nature)と米科学誌サイエンス(Science)にそれぞれ掲載された2つの独立した研究結果では、ネアンデルタール人由来のDNAが皮膚や毛髪の特徴に影響する遺伝子に集中して存在することが分かったと報告されている。

 ネイチャー誌に掲載された論文によると、特にこれらの遺伝子は、皮膚、毛髪、爪に弾力や硬さをもたらす繊維性タンパク質「ケラチン」の生成に影響するもので、現生人類がアフリカより北の寒冷な気候に対応するための「断熱材」の厚みを増す働きをしたのかもしれない。