【1月27日 AFP】米アリゾナ(Arizona)州のグランドキャニオン(Grand Canyon)は、地質学的に見ると500万年~600万年前に形成された「若い」地形だが、その一部の起源は7000万年前にまでさかのぼるかもしれないとの研究論文が26日、英科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス(Nature Geoscience)」に発表された。

 専門家らはこれまで、グランドキャニオンの年代をめぐり、この壮大な地形がコロラド川(Colorado River)とその支流の浸食作用で形成されるのに、どれくらいの年月を要したかを150年近くにわたって議論を続けてきた。

 米ニューメキシコ大学(University of New Mexico)の地質学者、カール・カールストルム(Karl Karlstrom)氏率いる研究チームは、全長446キロに及ぶ峡谷で採取した岩石サンプルの年代測定を行い、地形のコンピューターシミュレーションを用いて年代を新たに評価した。

 グランドキャニオン中部の「ハリケーン(Hurricane)」と「東グランドキャニオン(Eastern Grand Canyon)」と呼ばれる2つのエリアは、それぞれ5000万年~7000万年前と1500万年~2500万年前に形成されたと研究チームは考えている。

 だがこれらに比べて他の2区分ははるかに若く、500万年~600万年前に浸食作用で形成されていた。そして4区分がすべて結合し、単一の峡谷がつくられたと考えられるという。

 現在、峡谷の深さは平均約1230メートルで、最も深い地点では約1850メートルに達する。幅は最も広い部分で29キロある。

 ニューメキシコ大のカールストルム氏は、「この研究を通じて、一部峡谷の年代は古いが、古い年代の古峡谷の中を通って流れるコロラド川の浸食作用が500万年~600万年前に始まり、それによって峡谷が一体化してグランドキャニオンが形成されたとの結論に達した」と述べている。(c)AFP