【1月27日 AFP】中国の裁判所は26日、著名な人権活動家で弁護士の許志永(Xu Zhiyong)氏(40)に対し、汚職に反対する抗議デモの組織に関与したとして、懲役4年を言い渡した。同氏が率いる人権擁護活動へのさらなる弾圧に対し、国際的批判が高まっている。

 許氏は、教育の機会均等から公職汚職にいたる諸問題で、街頭抗議や夕食討論会を組織する活動家たちのゆるやかなネットワーク「新公民運動(New Citizens Movement)」の中心的人物。

 許氏を含む約10人の活動家らは、最高で懲役5年が科される「公共秩序騒乱罪」に問われていた。許氏は判決を受けた最初の被告となったが、政治的に統制された中国の裁判所が他の活動家にも有罪を言い渡すのは、ほぼ確実とみられる。

 許氏の判決に米国は「深く失望した」と述べ、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は「恥ずべきもの」とした。

 許氏の懲役刑は、習近平(Xi Jinping)国家主席下の新指導部が、汚職は中国共産党政権を破壊するものとして、腐敗一掃政策を大々的に展開する中で起きた。だが同政権は、政府支配の弱体化を招く可能性のある組織化された反対運動を懸念しており、許氏の裁判に対する外部の批判を「内政干渉」として退けていた。

 許氏の弁護人は裁判について、「見せ掛けに他ならない」とし、「結果はずっと前から決められていた」として批判した。同弁護人によると、許氏は判決を受け、裁判所に対し「中国の法の支配に残されていた尊厳の最後のかけらが、事実上破壊された」と述べたという。(c)AFP/Carol HUANG