【1月22日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は21日、世界経済フォーラム(World Economic ForumWEF)年次総会(ダボス会議)に出席する政財界エリートへ向けて、その起業家精神を、世界の強烈な貧困を緩和するために用いるべきだと呼び掛けた。

 スイス・ダボス(Davos)の開会式で読み上げられたメッセージの中で、フランシスコ法王は「イノベーティブな存在たる才能を示し、創意工夫と専門知識によって多くの人々の生活を向上させる能力を示してきた者はそのスキルを、今も極貧に暮らす人々のために生かすことでさらに貢献ができる」と述べた。また大量の食料が無駄になっているにもかかわらず、世界にいまだ飢餓がはびこっているのは「容認できない」ことだとも述べた。

 25日までの日程で開催されるダボス会議に先駆け、国際NGOのオックスファム(Oxfam)は、世界の経済格差は制御できる範囲を超えており、世界で最も裕福な85人の資産は、世界人口の半分の資産合計に匹敵すると指摘する報告書を発表している。フランシスコ法王はこの報告書についても「私たちの時代の大多数の男女が、いまだ日常的に生活不安を体験しており、大抵は悲劇的な結果に至っている」と発言した。

 今年のダボス会議には、世界中から40人の元首と閣僚や産業界のリーダーなど政財界の有力者の他、ノーベル賞受賞者やアーティスト、著名人ら2500人が出席する。(c)AFP