■悪質な暴行事件も

 報告書では、「過激なナショナリスト(国粋主義者)やネオナチ(Neo-Nazi)で構成される複数の自警団」が、同性愛者をおびき出した上で暴行を加え、その様子をビデオカメラで撮影してソーシャルメディアに投稿する事例が発生していると説明。一例として、「2013年9月には、ロシア在住のウズベク人を銃で脅し、同性愛者であることを自白させた上で、性的暴行を加える場面を写した動画が出回った」ことを指摘している。

 こういった事件についてロシア当局は数件の捜査を実施したものの、「効果的な刑事責任の追及には至っていない」という。

 同団体は同時に、「LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)の活動家に対する攻撃や嫌がらせも同様に増加した」と指摘した。

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、自身の政策が反同性愛的だとの批判を繰り返し否定してきており、19日には、来月7日に開幕するソチ五輪では全ての同性愛者の選手や観戦客を歓迎すると述べている。(c)AFP