【1月21日 AFP】日本のJAF(日本自動車連盟)に相当するドイツ自動車連盟(ADAC)が20日、自動車業界の権威ある賞で会員の投票を操作していたことを認め、ドイツの自動車愛好家たちの間で怒りが広がっている。

 ドイツ各紙は、設立111年の歴史を持ち、約1900万人の会員を擁するADACが毎年行っているイエローエンジェル(Yellow Angel)賞をめぐるスキャンダルを1面で伝えている。

 ADACによると、最も人気が高かったフォルクスワーゲン(VolkswagenVW)のゴルフ(Golf)の場合、獲得票数は3万4000票以上とされていたが、実際に獲得したのは3400票だったという。ただし、順位の操作は行っておらずゴルフが1位だった事実に変わりはないと、ADACは主張している。

 自動車が神聖視されるドイツで起きたスキャンダルに、アレクサンダー・ドブリント(Alexander Dobrindt)運輸相は、ADACに今回の不祥事について完全につまびらかにするよう求めた。

 独ミュンヘン(Munich)に本部を置くADACは、運転中に車両に問題が発生した時に駆け付けるロードサービスで有名で、ヘリコプターでの救出活動も行っている。そのほかにも有力ロビー団体としての顔や、レンタカー業、旅行保険業、長距離バス事業などを営む企業としての顔も併せ持つ。(c)AFP