【1月21日 AFP】日光を浴びると血圧が下がり、心臓発作や脳卒中の危険因子となる高血圧対策として有効かもしれないという英大の研究結果が20日、皮膚科学研究誌「Journal of Investigative Dermatology」に掲載された。

 英サウサンプトン大学(University of Southampton)などの研究チームは、被験者24人に日焼けマシンで紫外線「UV-A」を20分間浴びる実験を2回行った。

 1回目は日焼けマシンのランプが発する紫外線と熱の双方が皮膚に当たるように設定し、2回目は、紫外線を遮断してランプの熱だけが皮膚に当たるようにした。

 その結果、UV-Aを浴びると皮膚における一酸化窒素(NO)レベルが変化し、血管が拡張して血圧が下がることが示唆された。

 研究を主導したサウサンプトン大のマーティン・フェーリッシュ(Martin Feelisch)教授は、「皮膚から血液循環に入り込んだ少量のNOが血管の緊張を緩和する。これによって血圧が下がり、心臓発作や脳卒中リスクも下がる」と説明した。

 今回の研究成果は、季節や緯度によって変化することが分かっている血圧と心血管疾患に関する過去のデータを裏付けるものだ。これらの病気のリスクは太陽からの紫外線が減る冬や、赤道から離れた緯度の高い国々で高くなることが知られていた。

 今回の研究結果についてフェーリッシュ教授は、日光の健康効果と日光を浴びることによる体内でのビタミンDの役割に関する論争にとって意義深いものだと述べるとともに、皮膚がん予防のために過度に日光を浴びることは避けるべきだが、全く日光を浴びないことも心血管疾患リスクを高めると指摘した。(c)AFP