【1月18日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は17日、米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)による大規模な通話・通信記録の収集を大幅に縮小する方針を発表した。一方、テロリストたちから米国を守るため、大量のデータ収集は継続する必要があると主張した。

 オバマ大統領はまた、米国に友好的な各国の指導者を通信傍受の対象から外すほか、米政府のデータマイニングの対象に加えられていた外国人の保護についても、新たな対策案を提示した。NSAの監視活動を暴露したことで米当局に訴追されているエドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者が公表した一連の情報により、NSAの監視活動に対しては怒りの声が上がっており、今回の大統領の発表は、そうした反感を抑えることを目的としたものだ。

 改革のうち最も重要なものとして大統領が挙げたのは、NSAによる通話に関する「メタデータ」の収集と保管の中止。NSAはこれまで、通話の内容は記録していないものの、通話相手や通話時間など、通話履歴に関する詳細な情報を収集してきた。

 大統領は、「新たなアプローチが必要だと考える。そのため、愛国者法第215条に基づく現行のプログラムを中止し、政府が大量のメタデータを保管することなく、必要とする能力を維持し得る体制の構築を指示する」と述べた。

 さらに大統領は、エリック・ホルダー(Eric Holder)司法長官とNSAに対し、政府によるデータ保管に代わる別の方法を60日以内に提示するよう求めた。政府以外にデータを保管できる組織としては、現在NSAへのデータ提供に応じている通信会社か、第三者機関が候補に挙げられている。

 このほか大統領は、NSA職員が特定の標的に関するデータにアクセスする際には今後、外国情報活動監視裁判所(Foreign Intelligence Surveillance CourtFISC)の承認を得ることが必要になるとの見解を示した。

 大統領が示した改革案からは、改革に抵抗する情報機関と、通話記録やインターネットのデータ収集を重大なプライバシー違反とみる人権擁護団体の双方が合意し得る点を、政府が模索していることがうかがえる。

 ただし、情報活動に関して米国史上、最も重大な問題の1つとなったスノーデン容疑者による暴露がなければ、こうした情報収集活動の見直しが行われることになったか否かは疑問だ。(c)AFP/Stephen COLLINSON