【1月17日 AFP】最近のたばこは以前にも増して、肺がん以外に肝がんや失明、糖尿病、性的不能など多くの健康問題を引き起こす可能性があるとする報告書を17日、米当局が発表した。

 米公衆衛生局は同日、たばこが肺がんを引き起こすことを警告した当時画期的だった報告の発表から50年を記念する式典をホワイトハウス(White House)で行い、この中で最新の発見を正式発表する。

 ボリス・ラッシュニアック(Boris Lushniak)米公衆衛生総監によれば、50年前の1964年には42%だった米国の喫煙率は、現在18%にまで下がっているが、最近のたばこはこれまでになかったほど強力に危険を及ぼす可能性を増している。「たばこの製造法、そしてたばこに含まれる化学物質は年月を経て変わってきた。こうした変化の一部は、肺がんリスクを高める要因かもしれない」という。

 報告書によれば、失明の原因となりうる加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)と呼ばれる視力低下や糖尿病、結腸直腸がんや肝がんを能動喫煙が引き起こすことが現在、専門家の間で知られている。また喫煙は、結核、勃起不全、母親が喫煙していた場合の新生児の顔面裂、子宮外妊娠、リウマチ性関節炎、炎症、免疫不全を引き起こす他、がんの患者や生存者の場合には予後を悪化させる。

 また自分は喫煙しないが副流煙にさらされていた人は、脳卒中などの発作のリスクが増える。

 たばこが燃えると「7000種類以上の化学物質による複合混合物が生まれ、それが広範囲にわたる疾患を引き起こす」と報告は指摘している。(c)AFP