■地元は反発

 ジョイアタウロ港は、伊南部のカラブリア(Calabria)州にある欧州最大のコンテナ港の一つで、年間300万基のコンテナを取り扱っている。レナート・ベロフィオーレ(Renato Bellofiore)ジョイアタウロ市長は、今回の決定が発表された直後に同国のANSA通信に対し、「あらゆる法的手段を講じてこの動きに反対する」と語ったとされ、さらに「われわれは二流市民だとみなされた」と反発した。

■廃棄の過程

 イタリアでケープ・レイに積み替えられる化学物質は、混合され武器に装填(そうてん)されて初めて兵器となるものだが、民間人の居住域へのリスクを回避するため、可動式の加水分解装置を用いて、最長で3か月かけて海上に停泊した船内で処理されることになっている。処理には中和剤が用いられるが、その際に発生する有害物質については船内に保管後、民間業者が廃棄を行う。処理は、天気が穏やかであれば最短45日で完了する可能性もあるが、90日かかることが見込まれている。(c)AFP/Ella Ide