■航空業界にとっても大きなヒント

 研究チームは、V字編隊中の1羽が前を行く鳥とちょうど一波長分の距離だけ後方に離れていれば、この2羽の翼の位置(両先端の上げ下げ)がぴったり一致することも明らかにした。

 すなわち後続の鳥が半波長分だけ後方にいる場合、翼の位置は前の鳥とは正反対になるということになる。群れの仲間の翼の羽ばたきに調和する「鳥の並外れた認識力と能力」が今回の研究結果で明らかになったとポルトガル氏は話す。

 研究は、航空業界に示唆を与える可能性がある。

 ポルトガル氏は「鳥たちがこの上昇気流の波に乗るために互いに非常に接近して飛行する仕組みを理解する試みに対して、航空各社は大量の投資を行ってきた。彼らは自社の飛行機で同じことをしたいと望んでいる」と説明する。

 第2次世界大戦(World War II)中に連合国側の爆撃機のパイロットたちは、V字型編隊で飛行すると燃費が良くなることに気付いていたことも伝えられている。

「空気力学的相互作用のプラスの効果を体験するために、鳥たちがどのようにして協調した行動を可能にしているかを理解することで、(無人機や、羽ばたきをする昆虫を模倣した羽ばたき飛行機などの)航空機で燃料の節約を実現できる可能性がある」

(c)AFP/Mariette LE ROUX