またUSDAは、GM作物ではなく「農家の除草の仕方」にスーパーウィード繁殖の一因があると強調する。GM種子と一緒に、モンサントや競合他社が開発したグリホサート系農薬を使っていることが問題だという主張だ。

 ダウ・ケミカルの広報も「問題は、過去の除草剤耐性作物の栽培システムが、グリホサートの過剰使用につながったことにある。他に有効な除草法を、農家が見つけられなかったからだ」と述べている。 

■耐性獲得の悪循環に関する指摘

 しかしGM作物に反対するNPOや研究者などは、GM作物がスーパーウィードの繁殖を大きく加速させたという立場だ。

 悪循環を指摘するのは、米ワシントン州立大学(Washington State University)の「持続可能な農業と天然資源センター(Center for Sustaining Agriculture and Natural Resources)」のチャールズ・ベンブルック(Charles Benbrook)氏だ。除草剤の投入量を増やせば増やすほど、グリホサート耐性の強い雑草が残るという説明だ。

 米化学大手デュポン(DuPont)の種子部門「パイオニア(Pioneer)」のウェブサイトに公開された研究によると「グリホサート系除草剤は、グリホサート耐性のある作物の導入に先駆けて20年もの間、使用されていた。その間、耐性に関する問題はなかった」という。しかし、やがて作物は耐性を獲得した。「最初は長年にわたって、1シーズンの間に何度もグリホサート系除草剤を使用してきた地域から」だったという。

 ベンブルック氏よれば「スーパーウィードはGM作物に頼っている農家にとって大問題となっており、そうした農家は、除草剤使用量を毎年25%ずつ増やさざるを得なくなっている」。さらに「今後、複数の除草剤に耐性のあるGM種子が新たに認可されることにより、除草剤の投入は平均使用量よりも、少なくとも50%は増えるというのが多くの専門家の予測」だという。

 米農務省は1月、ダウ・ケミカルが開発した複数の除草剤に耐性をもつGM種子の認可を検討することを発表した。その除草剤の中には、癌や筋萎縮性側索硬化症を発症させる可能性が指摘されている強力な農薬も含まれている。(c)AFP/Veronique DUPONT