【1月15日 AFP】メキシコ軍は14日、暴力事件が多発する同国西部ミチョアカン(Michoacan)州で治安回復作戦を実施し、麻薬カルテルの拠点となっていた都市を制圧するとともに、武装解除を拒否した各地の自警団と衝突した。

 麻薬カルテル「テンプル騎士団(Knights Templar)」の拠点となっていたアパトシンガン(Apatzingan)には、メキシコ軍兵士と連邦警察官200人が突入。同市の警察官らを武装解除させた。

 その数時間前には、同騎士団とここ1年にわたり戦ってきた自警団の掌握する各地の町に軍部隊が到着し、武装解除を拒否する自警団員らと衝突。クアトロカミノス(Cuatro Caminos)の自警団員によれば、自警団への武器の返却を求めて軍部隊の進路を阻止していた住民に向け、軍兵士1人が発砲。11歳の少女を含む少なくとも4人が死亡したという。

 同州での治安悪化は、麻薬をめぐる暴力の削減を約束したエンリケ・ぺニャニエト(Enrique Pena Nieto)大統領にとって、治安上の最大の問題となっていた。

 自警団はこのほどさらに多くの町を掌握し、人口12万3000人のアパトシンガンを包囲。市街戦が発生する懸念が高まったことを受け、13日に軍の投入が命じられていた。(c)AFP/Leticia PINEDA