【1月15日 AFP】陸上男子100メートルの元世界記録保持者で、禁止薬物の使用が明らかになっているジャマイカのアサファ・パウエル(Asafa Powell)が14日、国内の懲戒委員会に出席し、ドーピング検査で陽性となった理由について証言した。

 31歳のパウエルはこの日、ジャマイカ反ドーピング委員会(Jamaica Anti-Doping CommissionJADCO)の意見聴取会に出席し、新しく雇った理学療法士の指示の下、検査の日の朝に普段の倍のサプリメントを摂取したと明かした。

 2013年6月、ジャマイカの国内選手権で禁止興奮剤オキシロフリン(oxilofrine)の陽性反応を示したパウエルは、理学療法士から最初の週は「エピファニーD1(Epiphany D1)」のカプセルを毎朝2つずつ、2週目は倍の4つずつ摂取するよう言われたと話し、そのカプセルにオキシロフリンが入っていたと主張した。

 また、そのカナダ人の理学療法士からサプリメントを処方されるようになったのは、6月20日から23日にかけて行われたジャマイカ選手権の約1か月前からだと語った。

 パウエルはさらに、摂取当時はサプリメントの名前を気にしておらず、世界反ドーピング機関(World Anti-Doping AgencyWADA)の禁止薬物のリストにエピファニーD1が入っているかも、事前に確認はしていなかったと証言した。

 パウエルは「リストの中身は知らないが、リストについては知っていた。確認すべきリストがあることは知っている」とコメントした。

 サプリメント摂取のリスクは理解していたかと問われると、パウエルは「全てのことにはリスクが伴う」と答えた。

 パウエルはまた、ドーピング管理の記入用紙にエピファニーD1は書き込まなかったと話し、その理由については「選考会の後で興奮していて、書くのを忘れた」と答えた。

 ジャマイカ史上最高の短距離選手のひとりとされるパウエルは、2008年に9秒74をマークし、当時の世界記録を更新している。(c)AFP