感染すると手や足にまひを引き起こすことがあるポリオは現在、ナイジェリア・アフガニスタン・パキスタンの3か国のみでまん延が続いているとされる。このうちナイジェリアとアフガニスタンでは症例が減少傾向にあり、ポリオを過去のものにしようとする努力は確実に成果を収めている。

 WHO世界ポリオ根絶計画のハミド・ジャファリ(Hamid Jafari)代表はAFPに対し、「もし現在の前進傾向がこのまま続くなら、アフガニスタンとナイジェリアでも2014年中にポリオ撲滅をあっさり達成できる可能性もある」という見方を示した。しかし昨年には、アフリカ北東部の「アフリカの角(Horn of Africa)」と呼ばれる地域と、内戦に苦しむシリアでポリオ感染が確認されており、新たな懸念を生んでいる。

 またインドでも、隣国パキスタンがポリオ感染国である以上、心配は完全に払拭されたわけではない。2011年5月、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)を率いたウサマ・ビンラディン(Osama Bin Laden)容疑者がパキスタンで殺害された際、それに先立つ同容疑者の追跡活動に偽の予防接種プログラムが用いられたことを受け、アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)がパキスタンで活動する予防接種担当者らをスパイの恐れがあるとして殺害する事件も発生している。(c)AFP/Adam PLOWRIGHT