■組織ぐるみで確立している盗難車輸入ルート

 コートジボワールの最大都市アビジャン(Abidjan)の盗難車市場に詳しい情報筋によれば、バイヤーが密輸業者に車種を注文し、シートの色まで特定することもある。

 注文を受けた密輸業者は自分の『チーム』に連絡し、チームはフランスで中古車の広告を見て探す。適当な車が見つかれば、売り手にコンタクトしてその車を買う。「実際、彼らは金を払う。ただし偽装小切手で」と、この情報筋はいう。その小切手が偽物だと銀行が気付いたときには、車はもう国境を越えている。盗難車はアビジャンに着く前に登録されており、新しい所有者はいい買い物をしたと満足する。「彼らはその車がどこから来たのか知らない」という。

 この情報筋によれば、フランス当局は約400件の盗難に関与しているとみられる窃盗団のリーダーの捜査を始めている。しかし、このリーダーはコートジボワールの現政権とつながりを持つ人物とされ、保護を受けている状態で、逮捕できずにいるという。

 インターポールによると、2009年以来、アフリカで押収された盗難車は160台のみ。2012年にはドイツだけで1万8500台、2億5000万ユーロ(約260億円)相当が盗まれている。(c)AFP