【1月8日 AFP】国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系の武装組織「イラク・レバント(地中海東岸地域)のイスラム国(Islamic State of Iraq and the LevantISIL)」がイラクのイスラム教スンニ(Sunni)派に対し、シーア(Shiite)派主導のイラク政府との戦いをやめてはならないと呼び掛けていることが、7日に公開された録音で明らかになった。

 ISILの報道担当者アブ・ムハンマド・アドナニ(Abu Mohammed al-Adnani)氏は録音された声明の中で、「スンニ派の人々よ、あなた方は武器を手にすることを余儀なくされた(中略)武器を置いてはならない。今武器を置けば、(シーア派は)あなた方を奴隷にし、あなた方が再び蜂起することは不可能になるだろう」と訴えた。

 ISILの戦闘員と反政府派の部族らはアンバル(Anbar)州で1週間以上にわたって、イラク治安部隊や政府を支持する地元の部族と戦っている。州都ラマディ(Ramadi)の一部はISILが掌握しており、ファルージャ(Fallujah)は政府のコントロールが全く及ばない状況だ。ファルージャ付近にはすでに政府の部隊が展開しているが、奪還に向けた攻撃はまだ始まっていない。

 イラクで反政府派の武装勢力が国内の主要都市を掌握したのは、2003年の米軍などの進攻を受けて混乱が最高潮に達していた時期以来のことで、アンバル州の治安はここ数年で最悪の状態になっている。(c)AFP