【1月7日 AFP】戦闘を続ける南スーダン政府と反乱軍の和平交渉が6日、エチオピアで正式に始まった。一方、南スーダンの石油業界に巨額投資している中国も、和平交渉の仲介に乗り出している。

 エチオピア政府はここ数日かけ、南スーダン政府と反乱軍の各代表を同じ一室に招き入れようと努力してきた。エチオピア政府報道官はAFPに対し、首都アディスアベバ(Addis Ababa)の高級ホテルで停戦に向けた正式交渉がようやく本格的に始まったと語った。

 アフリカ4か国を歴訪中の中国の王毅(Wang Yi)外相は、同国も和平実現に向け尽力しており、積極的に仲介に乗り出していることを明らかにした。中国は南スーダンの石油部門に大規模な投資を行っており、同国産の原油の大半を買い取っている。

 同外相は報道陣に対し、「中国は国連安全保障理事会(UN Security Council)の常任理事国であり、南スーダン情勢の展開を注視している」と述べ、さらに「中国は仲介努力を重ねてきており、政府が派遣したアフリカ担当特使が双方と協議した」ことを明らかにすると同時に、自らもアディスアベバ訪問中に双方に「直接働き掛ける」意向を示した。

 またかつて同一国家だったスーダンのオマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)大統領も南スーダンの首都ジュバ(Juba)を訪問してサルバ・キール(Salva Kiir)大統領と会談、「紛争への平和的解決」に向けたスーダンの支援を強調した。さらにアリ・アフメド・カルティ(Ali Ahmed Karti)・スーダン外相は、両国が「南スーダンの油田を保護するため、混成部隊を配置することを検討中」であることも明らかにした。

 一方で南スーダン内の戦闘は激化の一途をたどっており、政府・反乱軍の双方が各地で攻勢強化の構えを見せている。同国はスーダンから分離独立して3年も経たないうちに、全面的な内戦に突入する恐れを示している。(c)AFP/Jacey Fortin