【1月4日 AFP】イラク西部アンバル(Anbar)州で3日、州都ラマディ(Ramadi)とファルージャ(Fallujah)の両市で警察と部族民兵などの治安部隊が国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系の武装組織「イラク・レバント(地中海東岸地域)のイスラム国(Islamic State of Iraq and the LevantISIL)」と戦闘になり、100人以上が死亡した。

 複数の治安当局者は、この戦闘で少なくとも民間人32人とISILの戦闘員71人が死亡したが、警察と部族民兵の死亡数は不明だとしている。治安当局者によるとISILはイラクとシリアで活動している武装勢力。

 目撃者によると、ファルージャ中心部では3日、武装した数百人が毎週恒例の屋外礼拝に集まり、礼拝を率いた1人の人物が立ち上がって「ファルージャはイスラム国であるとわれわれは宣言する。諸君にわれわれの側に立つよう呼び掛ける」と述べたという。礼拝に来た人の中には、イスラム聖戦士が掲げることが多い黒い旗を持っている人もいたという。

 ラマディで先月30日に治安部隊がイスラム教スンニ(Sunni)派のアラブ人らが1年にわたって運営してきたデモキャンプの排除に乗り出してから一連の戦闘が始まった。先月30日と31日の2日間でラマディとその周辺では少なくとも14人が死亡している。今月1日と2日の死亡者数は明らかになっていない。

 イラクの過去5年間で最悪となった今回の一連の戦闘の主な原因は、イスラム教シーア(Shiite)派主導のイラク現政権に対するスンニ派の怒りだとみられている。イラクでは少数派のスンニ派アラブ人たちは、自分たちのコミュニティーが疎外され、標的にされているとして2012年末にデモを始め、その中で先月30日に強制排除されたデモキャンプも作っていた。(c)AFP