南極海で立ち往生のロシア船、中国のヘリが接近ルートを偵察
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【12月29日 AFP】南極海で厚い氷に阻まれ、前週24日から立ち往生しているロシアの調査船「アカデミック・ショカリスキー(MV Akademik Shokalskiy)」号は、29日も救助の砕氷船の到着を待った。
科学者や観光客、乗組員など74人を乗せているショカリスキー号は、仏デュモン・デュルビル基地(Base Dumont D'Urville)の東方約100カイリの地点で動けなくなっており、これまでに2隻の砕氷船が接近を試みたが、失敗した。
その内の1隻、中国の砕氷船「雪龍(Xue Long)」は調査船から約6.5カイリの位置まで近づいたが、氷を砕くことができず引き返さざるを得なかった。
現在はオーストラリアの砕氷船オーロラ・オーストラリス(Aurora Australis)が向かっているが、到着するのはオーストラリア時間29日午後11時(日本時間同9時)ごろになるとみられている。ただし、オーストラリア海洋安全局(Australian Maritime Safety Authority、AMSA)によれば、オーストラリス号が氷を砕くことができなければ、雪龍に搭載されているヘリコプターを使って救助活動を行うことも検討しているという。
雪龍のヘリコプターは29日午後、オーロラ・オーストラリス号がアカデミック・ショカリスキー号に接近する最適なルートを決定するため現場上空の偵察飛行を済ませ、氷の状態が改善しているという情報をAMSAの救助調整センターにもたらしたという。(c)AFP/Amy COOPES