【12月28日 AFP】インラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)首相の退陣を求める反政府デモが続いているタイ・バンコク(Bangkok)の首相府近くで28日未明、何者かがデモ隊を銃撃し、デモに参加していた1人が死亡、3人が負傷して入院した。救急センターの広報担当者が明らかにした。

 銃撃した人物の身元は分かっていないが、一部の現地メディアは走り去る車から複数の人間が銃撃したと報じた。政治的に二極化しているタイでは昔から緊張を高めるため武器を使った挑発が見られ、双方が相手側を批判するのが常だ。

 インラック首相は政治危機打開のため来年2月2日に総選挙を実施する方針だが、反政府デモの参加者らは、インラック首相の一族が権力の座に戻るだけだとして総選挙を阻止する姿勢を示している。選挙管理委員会によると、28日は野党の勢力が強いタイ南部の各地でデモ隊が総選挙の立候補者登録所を取り囲み、幾つかの県で登録手続きが一時中止された。

 比例代表の立候補者の登録は27日に終わり、53の政党の候補者が登録した。選挙区の立候補者の登録は28日に始まり、来月1日まで行われる予定になっている。インラック政権はタイ北部では強い支持を得ており、総選挙が実施されれば勝利するとみられている。(c)AFP/Anusak KONGLANG