■冷蔵庫に入ったフランコ像も

 同財団は、冷蔵庫に入ったフランコ像でもメリノさんを訴えたが、マドリード(Madrid)の裁判所は7月、この訴えを退けていた。この作品は「いつでもフランコ(Always Franco)」という題で、12年2月にマドリード(Madrid)で行われたアートフェアで大人気を博した。軍服にサングラス姿のフランコ総統の像が、膝を曲げた格好で、コカ・コーラ(Coca-Cola)のデザインを思わせるガラス戸付き冷蔵庫の中に入っている。

 一方の「パンチング・フランコ」はこの夏、反ファシズムを掲げるアーティスト集団「アルティスタス・アンチファシスタス(Artistas Antifascistas)」が主催する展覧会に出展された。40年間に及んだフランコ独裁支配の結果を省みる視点にスペインは欠けていると憂えるアーティストが参加するグループだ。

 メリノさんいわくフランコ時代は、今もスペインにとってタブーとなっている。例えば人権派の裁判官バルタザール・ガルソン(Baltasar Garzon)氏が、フランコ時代の11万4000人の「失踪」について調査を試みたところ、自らが職権乱用を問われる事態に陥った。この件ではガルソン氏は無罪となったが、後に別の汚職事件の捜査で盗聴を命じたとして弁護士資格を剥奪されたと、メリノさんは語る。「自分にとってアーティストとは、今起きていることの近くにいるものなんだ」

 現在制作している作品は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記の像だ。この像もまた冷蔵庫に入れて、展示する予定だ。(c)AFP