【12月27日 AFP】米政府は26日、日本の近隣諸国が激しく反発している安倍晋三(Shinzo Abe)首相の靖国神社(Yasukuni Shrine)参拝を批判した。日米安全保障条約で日本を防衛する義務を負っている米政府が日本政府を強く批判することは──貿易問題を除けば──決してないと言ってよい。靖国参拝を批判したことは米国としては珍しい対応だった。

 中国の台頭や北朝鮮への懸念が高まる東アジアにおいて、平和主義を掲げる日本が安全保障上の役割をより積極的に果たすよう後押しすることが、米政府の基本方針となっている。

 しかし、日本はその歴史にもっと誇りを持つべきだという強い信念を持っていることで知られる安倍首相は、戦争で亡くなった約250万人が祭られている靖国神社の参拝を行わないよう米国がこれまで控えめに行ってきた警告を退けて参拝した。

 ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前大統領政権で東アジア担当大統領補佐官だったマイケル・グリーン(Michael Green)氏によると、米政府関係者の多くはジョー・バイデン(Joe Biden)米副大統領が今月上旬に訪日した際に表明した懸念が日本側に正しく伝わったと確信していたため、安倍首相の靖国神社参拝に驚いているという。