【12月26日 AFP】欧州連合(EU)加盟の前提となる連合協定の署名見送りをめぐって親EU派の野党による反政権デモが続くウクライナで、デモを取材してきた野党系ニュースサイトの女性ジャーナリストが何者かに襲撃され重傷を負う事件があり、野党勢力から激しい怒りの声が上がっている。

 襲撃されたのは野党系ニュースサイト「ウクライナ・プラウダ(Ukrainska Pravda、ウクライナの真実)」の記者で、ビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)大統領をはじめとする政府高官に批判的な記事を書くことで知られるタチアナ・チョルノビル(Tetyana Chornovil)氏。

 本人の証言に基づいた警察発表によると、チョルノビル記者は24日夜、車で首都キエフ(Kiev)に戻る途中で不審な車に尾行され、キエフ近郊で強引に路肩に停車させられたという。車から降りてきた数人の男はチョルノビル記者の車のリアガラスを割り、同記者を引きずり出し殴打した後、側溝に放置して去った。チョルノビル記者は25日午前0時すぎに自分の車の近くで発見されたという。

 ヤヌコビッチ大統領は事件を非難し、ビタリー・ザハルチェンコ(Vitaliy Zakharchenko)内相に容疑者の特定を指示。ザハルチェンコ内相はその後、3人の容疑者を特定し、うち2人を拘束したと発表した。

 チョルノビル記者はウクライナ・プラウダに掲載された動画で、腫れ上がった顔をさらし「頭を殴られた。男たちは黙ってただ殴り続けた」と語っている。同サイトが家族の話として伝えたところでは、チョルノビル記者は鼻を骨折したほか脳振盪(しんとう)や複数の打撲傷で入院したという。

 キエフの内務省前には25日、数百人のデモ隊が集まり、負傷したチョルノビル記者の写真を掲げてザハルチェンコ内相の辞任を要求した。(c)AFP/Zoya ZHMINKO