【12月26日 AFP】香港(Hong Kong)と中国本土の広東(Guangdong)省にある経済特区・深セン(Shenzhen)との境界で、全長40メートルの密輸用トンネルが見つかった。25日の地元報道によるとトンネルはコンクリート製で、鉄骨で補強され、電灯や通気口、輸送用のトロッコと荷物を持ち上げるための滑車まで設けられた本格的なものだという。

 国営ニュースサイト「中国網(china.com.cn)」が伝えたところによれば、トンネルの一方の出入り口は深センにある車庫で、車庫の中にはトンネルを掘った際のものとみられる泥が入った袋が山積みになっていた。もう一方の出入り口は深センと香港を隔てる川を越えて数メートルほどのアシの茂みの中にあり、最寄りの村から20メートルほど離れているという。

 トンネルの幅は0.8メートル、高さは1メートルで、ちょうど大人1人が這って通れる程度の広さ。密輸業者は特定されていないが、携帯電話やタブレット型端末を密輸するために掘られたとみられる。トンネルの建設には4か月の時間と300万元(約5200万円)程度の費用がかかったのではないかとみられている。

 近隣住民は、1~2夜にわたってドリルの音が聞こえたが修繕工事の音だと思ったと話しているという。トンネルの出入り口があった車庫は男性名義で貸し出されていたが、当局によると貸し出しに使われた身分証明書は偽造されたものだったという。(c)AFP