【12月26日 AFP】中国は26日、毛沢東(Mao Zedong)初代国家主席の生誕120年を迎えた。記念日を前に国営紙・環球時報(Global Times)が行った世論調査では、回答者の85%以上が毛沢東について「犯した過ちよりも功績の方が勝る」と考えていることが明らかになった。

「偉大なる舵取り(Great Helmsman)」と呼ばれた毛沢東は、1949年の中華人民共和国建国の父として国民から崇拝される一方、その残したものの受け止め方は国内でも複雑だ。当局は、生誕120周年の祝賀は控えめにするよう呼び掛けている。

 社会主義建設運動「大躍進(Great Leap Forward)」の失敗で数千万人が餓死したことや、約10年間続いた「文化大革命(Cultural Revolution)」の混迷の非は、毛沢東にあると言われている。


 中国共産党の公式見解は、1976年に毛沢東が死去して以来「毛沢東は7割正しく、3割は間違っていた」というものだ。しかし、今月23、24日に環球時報が行った世論調査の回答者は、それよりもっと好ましい見方をしているようだ。

「毛沢東の功績は、毛沢東の過ちに勝ると思うか?」との問いでは、78.3%が「そう思う」と答え、「非常にそう思う」との回答も6.8%あった。また約90%近い回答者が、毛沢東の最大の功績として「革命を通じて独立国家を創設したこと」だと答えた。

 一党独裁の中国共産党は、27年に及んだ毛沢東時代に対する評価を厳しく検閲しており、毛沢東の行いに関する歴史的総括は中国国内にはいまだに存在しない。

 環球時報によれば、世代が若いほど、また高等教育を受けた人ほど毛沢東に批判的だという。一方、年配層や、学歴が初級・高級中学(中学、高校に相当)や職業専門校卒の人では毛沢東を尊敬する傾向が強く、こうした人々は貧富の格差が広がる中で現在ほど格差のなかった毛沢東時代への郷愁を感じているのではないかと同紙は推測している。(c)AFP