■「『ハッピーホリデーズ』は空疎な言葉」

 拘束力のないこの決議案の提出には民主党からも2人の議員が加わった。その1人ニック・レイホール(Nick Rahall)下院議員は、自身の主張を簡潔に表明している。「『メリークリスマス』という由緒あるあいさつの言葉を、『ハッピーホリデーズ』などといった空虚な言葉に置き換えるなんて、ばかばかしいの一言に尽きる」

 宗教団体「信仰と自由連盟(Faith & Freedom Coalition)」は、イエス・キリスト降誕の場面が全米各地でからかいの対象になっていることの一例として、フロリダ(Florida)州の政府所有地で、生まれたばかりのキリストが置かれた飼い葉おけの隣に、ビールの缶でできた「フェスティバス・ポール(festivus pole)」(クリスマスのお祝いを風刺するために作られる棒状のオブジェ)が立てられたことを指摘した。

 同団体のレジーナ・ブラウン(Regina Brown)氏は「アメリカで起きているこういった論争は全て、クリスマスを米国の他の祝日と同じ重要性しかない、単なる1つの祝日におとしめようとする試みだ」と述べている。

 FOXニュースは、この「クリスマス戦争」を大々的に報じ、クリスマスが「攻撃」を受けている場所を示した双方向型のデジタル地図も公開している。

 だが、FOXニュースの番組に出演した著名テレビ伝道師で説教師のジョエル・オスティーン(Joel Osteen)牧師は、こうした見方に対して冷静な姿勢を示した。同牧師は、クリスマスから宗教的な意味合いをなくしたいと考える特定の団体がいると指摘した上で、「私は他の人々と比べて、それほど心配していないと思う」と述べ、「誰もが私と同じように信仰をしているわけではない。この国にいる全員がキリスト教徒というわけではない」と加えた。(c)AFP