【12月24日 AFP】米ニューヨーク市内の地下鉄駅で前週、線路に転落した目の不自由な男性と、男性を助けようとした盲導犬のためにインターネットで呼び掛けられた寄付金が、クリスマスイブの24日までに10万ドル(約1000万円)を超えた。

 同市在住のセシル・ウィリアムズさん(61)は視覚障害者で糖尿病を患っており、前週17日、地下鉄のホームで電車を待っている間に意識を失い、綱を引っ張ってウィリアムズさんを引き戻そうとした10歳の盲導犬オルランドともども線路に転落した。

 ウィリアムズさんとオルランドはホームに入って来た地下鉄にぶつかったが、奇跡的に軽傷のみで助かり、この話は瞬く間にニューヨーカーの心をとらえた。

 オルランドは来年、盲導犬を引退することが決まっており、盲導犬でなくなるオルランドを飼い続ける金銭的余裕がウィリアムズさんにないことが分かると、寄付が届き始めた。インターネット経由で不特定多数の人から資金を募る「クラウドファンディング」による2つの寄付金サイトを有志らが立ち上げ、集まった寄付金は前週19日の時点で2サイト合計10万8000ドル(約1120万円)を超えた。

 95年に視力を失い、オルランドのことを「最高の相棒」と呼ぶウィリアムズさんは「何と言っていいか分からないほど嬉しい。わたしがオルランドをずっと飼っていられるよう、力を合わせてくださったみなさんに感謝します」と喜びを述べた。

 またオルランドを育て、訓練した盲導犬育成団体「ガイディング・アイズ・フォー・ザ・ブラインド(Guiding Eyes For The Blind)」は、多くの視覚障害者のために盲導犬の育成を支援する募金は、関心がある人ならば誰でもできると呼び掛けている。

 米国で盲導犬の繁殖、育成、訓練、盲導犬を希望する障害者とのマッチング、盲導犬との生活サポート一連には、1頭につき平均4万5000ドル(約470万円)の費用がかかるという。(c)AFP