【12月24日 AFP】糖尿病や循環器疾患など、体内のブドウ糖の数値に問題がある人々に朗報だ──。1日あたり2000歩多く歩くことで心臓発作のリスクを軽減できる可能性があるとの研究結果が20日の英医学専門誌「ランセット(The Lancet)」に発表された。

 実験では、世界40か国から9300人の耐糖能異常(IGT)による循環器疾患と診断された人、もしくはそのリスクがある人が対象となった。被験者には「生活スタイルの改善プログラム」として減量や脂肪分の高い食事を避けること、定期的な運動の効果がアドバイスされた他、日々の歩数を測るための歩数計も渡された。

 研究によると、実験開始から6年後、毎日2000歩のウォーキング(普通に歩くペースで20分ぐらい)を日課にプラスした人たちの循環器系リスクは8%減少したという。

 耐糖能異常に苦しむ人は、世界の成人人口の7.9%、約3億4400万人に上る。そしてこの数字は2030年までに、4億7200万人(8.4%)に増加すると予測される。

「耐糖能異常の人たちは、循環器系の疾患リスクが極めて高い」と、研究を主導した英レスター大学(University of Leicester)のトーマス・イエーツ(Thomas Yates)氏は指摘する。

「運動が耐糖能異常者の健康に良いという研究結果はこれまでにもいくつかあったが、今回の発見はどれぐらいのウォーキングがどれぐらいのリスク軽減につながるかということを数値化できた初めての研究だ」

(c)AFP