【12月23日 AFP】天然資源を産出するアフリカ22か国の世論調査で、回答者の大半が、石油生産や鉱物資源による収益を政府がどのように使っているのか把握するのは困難だと答えた。また、政治家は着服や不正といった罪を犯しても、処罰を受けることはないと考えている人も大半だった。

 一方、同じ調査で多くの国民が、自分の意見の主張や投票は自由に行うことができ、現地メディアの権力チェック機能を信頼しているとも答えた。

 アフリカの社会、政治、経済情勢に関する独立調査プロジェクト「アフロバロメーター(Afrobarometer)」の一環で11日に公表された調査報告は「(アフリカの人々が持つ)2種類の異なる認識傾向が、アフリカ諸国政府に興味深い課題を与えている。外国企業と最も得になる資源採掘契約を結ぼうとしている各国政府は、同時に透明性と説明責任を保持することが求められている」と分析している。

 調査では対象となった22か国の回答者の62%が、政府が鉱業や石油産業の収益をどのように扱っているかについて情報を得ることは「かなり難しい、または非常に難しい」と答えた。また54%が、高官は罪を犯しても「たびたび、または、常に」処罰を免れていると回答。モロッコではこの割合が79%と最も高かった。汚職がまん延しているにもかかわらず、政治家が投獄されることがほとんどないナイジェリアでは67%だった。ダイヤモンド産業の収益管理に成功していると評価されることが多いボツワナでは、28%と最も低かった。

 一方、回答者の多くは、社会の監視役を効果的に果たすのはメディアだと考えていた。「ジャーナリストの権力チェック機能は効果的だ」と答えた国民が多かったのはタンザニアで84%。逆に少なかったのは43%のスーダンや38%のジンバブエだった。

 また自分の意見を率直に述べることができると回答したのは全体の77%、選挙で誰に票を投じるか選ぶことができると答えたのは89%だった。

 非営利の政策問題研究所レベニューウオッチ(Revenue Watch)のアフリカ地域責任者、エマニュエル・クオレ(Emmanuel Kuyole)氏は、ガーナの首都アクラ(Accra)での発表会見で、天然資源の管理を向上させれば、アフリカ諸国を貧困から救うことができると述べ「石油やガス、鉱物産業の収益はおそらく発展の資金源として最も重要だ」と話した。(c)AFP