【12月19日 AFP】ピカソ作品が景品となっていたチャリティーくじの抽選が仏パリ(Paris)で18日に行われ、匿名の人物から寄贈された100万ドル(約1億4000万円)相当のピカソ作品を米国在住の男性が見事引き当てた。パリの競売大手サザビーズ(Sotheby's)が同日、明らかにした。

 国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)公認のチャリティーくじは、レバノン南部にある古代フェニキア人が建設した古代都市ティール(Tyre)の支援資金として500万ドル(約5億2000万円)を集めることを目指したもの。1枚100ユーロ(約1万4000円)のくじ5万枚が発売された。

 同日の抽選で当せんしたのは、米ペンシルベニア(Pennsylvania)州在住のジェフリー・ゴナノ(Jeffrey Gonano)さん(25)。防火関連企業に勤めているという。

 チャリティーを通じて集まった資金は、現在ティールに住む若者や女性、障害者の雇用を創出するための「伝統工芸村」の設立、さらには首都ベイルート(Beirut)にフェニキア研究を行う学術機関設置のために使われる。

 チャリティーのPRでは、ピカソの孫で米ニューヨーク在住のオリビエ・ピカソ(Olivier Widmaier Picasso)氏が先頭に立った。オリビエ氏は「くじを買って2倍の喜びが味わえる。一つは非常に興味深い遺産保護プロジェクトを支援できること、もう一つは、もしかすると、自分のリビングの壁にピカソの絵を飾ることができるかもしれないことだ」と宣伝していた。

 このチャリティーには、チケット購入を求める多くの人がオンラインを通じて世界各国から集まったという。(c)AFP