【12月18日 MODE PRESS】フランス・パリで16日、「クロエ(CHLOÉ)」創業者のギャビー・アギョン(Gaby Aghion)が、フランスのファッションと文化への貢献を認められ仏最高勲章であるレジンドヌール勲章を授与された。

 1921年にエジプトで生まれたアギョンは、戦後パリに移住。パリの女性たちの自由の少なさに失望し、自分が心から楽しめるファッションラインを立ち上げようと1952年に「クロエ」を設立した。それまでの堅苦しいオートクチュールのドレスからかけ離れた、シンプルだが完成度の高い、洗練されたブランドを目指し、活動を始める。

 1958年、行きつけのカフェで初のランウェイショーを開催。それ以降も複数のパリの有名カフェでコレクションを発表した。当時珍しかった、実生活に近い環境でのショーの開催や、ストリートのエネルギーが感じられるコレクションは、見る人を魅了し、ファッション業界に新たな風を吹き込んだ。

 またアギョンは、若手デザイナーの育成にも力を注いだ。ジェラール・ピパール、マキシム・ド・ラ・ファレーズ、クリスチアーヌ・ベリー、ミシェル・ロジエ、グラジエラ・フォンタナなど次々に若い才能を発掘し、世に送り出した。1964年には現在、フェンディやシャネルなどでデザイナーを務めるカール・ラガーフェルドを「クロエ」に迎え入れる。カールは後のインタビューで「マダム・アギョンが放つ雰囲気は、私に刺激的な影響を与えてくれました」と語っている。

■コメント:ギャビー・アギョン
「今では、私がクロエを創ったことが誇りです。 全ての女性に私はいつも「思い切ってやりなさい」と言ってきました」
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