【12月18日 AFP】(一部更新)クーデター未遂が起きたとされる南スーダンの首都ジュバ(Juba)で17日、対立する部隊間の戦闘が再び発生した。国連平和維持活動(PKO)によると、一連の衝突で死者の数は数百人に上っており、多くの負傷者も出ているという。

 この事態を受けて米国務省(US State Department)は声明で「現在続いている政治的・社会的な情勢悪化のため」緊急対策要員を除く大使館職員らに国外退避を指示したことを明らかにし、米国人全員に「直ちに」南スーダンを離れるよう勧告した。

 サルバ・キール(Salva Kiir)大統領は16日、政敵のリヤク・マシャール(Riek Machar)前副大統領を支持する部隊によるクーデター未遂があったと発表。政府は、10人を拘束し、マシャール前副大統領などは逃走中だと明らかにしている。

 同国のマイケル・マクエイ・ルース(Michael Makuei Lueth)情報相によると、一連の戦闘により少なくとも73人の兵士が死亡。加えて、市民数人が死亡したとの情報もある。

 17日の日中には首都各地で散発的な衝突があったもよう。夜間は外出禁止令が出されており、ルース情報相は「完全な制圧」を宣言しているものの、現地のAFP記者によるとまだ時折銃声が聞こえているという。

 PKOのエルベ・ラドゥス(Herve Ladsous)局長は、400~500人の遺体をジュバの病院に運んだことを国連安保理で明らかにした。またその他に約800人が負傷しているとしている。

 国連南スーダン派遣団(UN Mission in South SudanUNMISS)のヒルデ・ジョンソン(Hilde Johnson)事務総長特別代表によると、「ジュバにあるUNMISSの2施設で少なくとも1万人の民間人を保護」しており、国連職員がこれらの民間人の「安全を確保するためあらゆる措置を講じている」としている。しかしPKOのラドゥス局長によると、国連に保護を求めている人の数は1万5000~2万人に上っているという。

 赤十字国際委員会(International Committee of the Red CrossICRC)によると、ここ2日間で首都内の教育病院と軍病院に300人以上が運び込まれ、教育病院では26人の死亡が報告されている。

 AFP記者によると、軍事基地付近の住民は戦闘が小休止するたびにより安全な場所へと避難しているが、多くは怖くて移動できないと訴えている。また未確認情報として、兵士らが民間人の家々へ暴力的な見回りを行っているという報告もある。(c)AFP/Waakhe Simon Wudu