【12月17日 AFP】フランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領の要請で設置された諮問委員会は16日、同国で自殺ほう助を合法化すべきと勧告した。フランスでは悲劇的な自殺事例が相次いだことから、安楽死をめぐる議論が再燃している。

 フランスでは安楽死は違法とされている。だが、11月に高齢夫婦の心中が2件立て続けに起きたことや、不治の病に侵され服毒自殺した母親を看取った際の痛ましい経験を語った政治家の告白に、フランス社会は大きな衝撃を受け、世論が動かされていた。

 仏世論研究所(IFOP)によって仏国民の代表として選ばれた18人から成る諮問委「市民会議(Conference of Citizens)」は、薬物による自殺ほう助の可能性について「(患者の)明確な同意と完全な理解があることが必須」としたうえで、「死期が迫った患者や不治の病に苦しむ患者にとって、正当な権利と思われる」との結論を発表した。

 2012年の大統領選中、安楽死の合法化問題を公約としていたオランド大統領は、法案作成に向け「市民会議」を含め複数の審議会を立ち上げてきた。

 諮問委は安楽死について、患者が同意の意志を直接伝えられない場合など、非常に特殊な状況に限って支持するとし、全ての安楽死を合法化する可能性は排除した。

 スイスでは合法とされている自殺ほう助は、希望する患者に医師が死に至るために必要な全ての薬物を供与することを認めるもの。ただし薬物の投与は患者自身が行う。

 一方の安楽死は、自殺ほう助からさらに踏み込み、致死量の薬物を医師が直接、患者に投与する。オランダやベルギーでは合法だが、その是非については大きく意見が分かれている。(c)AFP/Olivier THIBAULT