■「私は同性愛と戦う」

 裁判ではビデオが証拠採用されたが、このビデオについてマレ牧師は、ランドール氏宅に盗みに入ったとされる2人の男を同性愛の相手にしようとしたランドール氏自身が2人に渡したもので、実際には2人は窃盗犯ではないと述べ、このビデオは同性愛反対派のたくらみによって入手されたものではないと強調した。

 ウガンダでは同性愛を嫌う風潮が浸透しており、国内の同性愛者に対する嫌がらせや暴力の脅しは後を絶たない。同性愛者の人権保護を掲げる活動家たちは、同性愛者の女性が「矯正」を口実としたレイプの被害者になった事例もあると指摘している。

 マレ牧師にとって同性愛は1つのライフスタイルに過ぎず、更生は可能であり、またそうすべきものだ。同牧師はAFPに対し、「同性愛は生まれつきと主張するのはばかげた話だ」と明言した。「私は自分たちの世代のために発言し、戦うために選ばれた人間だ。私ほどの器の人間が、この国に忍び寄るこうした悪を沈黙したまま見過ごすのは愚かなことだろう」

 マレ牧師は、同性愛反対のメッセージを教会の集会や学校、メディアや政治家に伝えることにほぼ専念しており、米国流の福音派キリスト教が拡大しつつあるウガンダで大きな手応えを感じている。ウガンダでは既に同性愛は長期の禁錮刑が科せられる罪とされており、議会は何年も前から、同性愛への関与を繰り返した場合に死刑を適用する法案を審議している。(c)AFP/Emmanuel LEROUX-NEGA