【12月14日 AFP】米アップル(Apple)は13日、中国・上海(Shanghai)にある製造委託先の工場で働いていた15歳の少年が死亡したことを受け、この工場に調査チームを派遣したことを明らかにした。

 アップルから製品組み立てを受託しているペガトロン(Pegatron)は、同工場の約10万人の従業員のうち4人が今年下半期に病気で死亡し、15歳の少年はその1人であることを確認した。

 米ニューヨーク(New York)を拠点とする労働権利団体の中国労工観察(チャイナ・レイバー・ウオッチ、China Labor Watch)によると、同工場でアップル製品の組み立てに従事していたShi Zhaokun君は10月9日、肺炎のため上海の病院で死亡した。 中国労工観察は、この工場の従業員は1日12時間の労働を要求されていたとしている。

 中国にいるアップルの広報担当者はAFPの取材に対し、同社は中国と米国から独立した調査担当者を送って工場の調査を行ったが、就労環境はアップルが定めた水準を満たしており、これらの労働者の死亡と労働条件を関連付ける証拠は見つからなかったと述べた。

 台湾の台北(Taipei)にいる複数のペガトロン職員は、同社では未成年者の雇用を禁止しており求職者の年齢を確認する厳しい手続きも運用しているが、死亡した15歳の少年は20歳の親戚の身分証明書を使って雇われていたと強調した。

 ペガトロンはアップル製品の組み立ての他、ソニー(Sony)や東芝(Toshiba)その他の有名企業向けにゲーム機、テレビ、パソコンなどを製造している。(c)AFP